朝鮮新報のアクセスランキングの上位に『遺骨は叫ぶ』の一部が上がっていました。
ノンフィクション作家の故・野添憲治先生の書籍で、日本版ピューリツァー賞とされる『平和・協同ジャーナリスト基金』の奨励賞を受賞された作品です。
『遺骨は叫ぶ』は36回分、朝鮮新報で抜粋されています。
今回上位に上がっていたのは、その中でも「平岡ダム」に関するものでした。
天竜川で最大規模を誇る同ダムの建設に連行された、朝鮮人2000名の方々の記録です。

以前の私もそうでしたが、日本人がこの手の話を聞くと、
・大げさに話している
・過去の被害を強調し、より大きな支援や賠償を引き出そうとしている
と思うことが多いでしょう。
しかし、例えば「当時の日本人がアメリカに連行されたら、どんな扱いを受けたか」を想像すると「かなり酷い扱いを受けただろう」ということは、想像できると思います。
「日本人は大人しいし、同じアジア人だからそんなに酷いことはしない」という考えもあるかもしれません。
しかし当時は戦時中で、同じ日本人同士でも、人権などほとんどなかった状態です。
建設現場も含めて全ての人のストレスが極限に達していたはずなので、記事で証言されているような過酷な扱いを受けたことは、事実だろうと感じます。
2000人という人数については、当時の長野県知事が厚労省に出した文書に書かれているので、日本人が記録した正確な数値です。
・連行の人数が間違いない
・前述の理由から、過酷な待遇だった可能性が高い
という二点を考えれば、記事の内容は誇張ではなく、事実である可能性が高いでしょう。
「野添先生が在日か日本人かによって意味が変わる」と思う人も多いでしょうが、調べたところ純日本人のようです。
ご自身が出稼ぎ少年から木材業界の記者を経て作家になられた経緯からか、労働者へのシンパシーが強いようです。
朝鮮人だけでなく、日本人の労働者に関する書籍を多く書かれています。
映画『めぐみ』の中で、めぐみさんの監視役のような男性の台詞にもあったと記憶しますが、日本も過去に、朝鮮の拉致よりはるかに大規模な拉致を「連行」という形でしていたのだと感じます。
両者の違いは「国際法が整備されて行き渡った前か後か」ということで、やっていることは同じだし、規模でいえば断然日本が大きいのだと感じます。
「だから拉致をしていい」ということでは当然ないのですが、これから朝鮮の方々と関わらせていただくに当たって、上記の点は私個人が強く意識しておく必要があります。
(「日本人皆がそう思うべき」という主張の類ではありません)
今回ランキング上位に上がっていたということは、在日同胞の方々にとってこの書籍の内容は重要ということだと考えるため、他の回も追って拝読し、勉強させていただきます。
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